私が会社を退職する時の若かりし日の捨て駒系人柱の出来事です。
当時働いていた職場には気がかりな問題がありました。それは営業担当の社員Kさんの事です。
Kさんについて
Kさんは当時30代のおとなしい性格の営業マンの男性でした。その性格が原因かはわかりませんが、営業成績は下位でいつも上司に詰められていました。精神的にも辛かったのかその仕事ぶりは日に日にルーズさが目立ち毎月お伺いするお客様の家にもお伺いしなくなっていたのです。怒ったお客様が来店するなんてケースもあり「さすがにマズい」と噂していました。しかし、その様な状況は支社長の耳まで届かないのです。
Kさんは役員のご子息であり、仕事はイマイチ(失礼)だけど悪い人でもないので皆黙っていたのです。それでもKさん自身にとっては一番よくない事なのです。
選ばれし私negimenmaru
私negimenmaruが退職する前の週(有休消化なかった)に先輩が仲間を従えて私に近づいてきて言いました。
『もう退職するんだし思い切ってKさんの事を支社長に代表としてぶちまけない?』
断る権限は若い私にはありませんでした。
1 on 1で直訴
あれよあれよという間に話し合いの時間はセッティングされ、人格者として名が通った支社長に洗いざらい話しました。振り返ってみると、支社長も私一人の独断では無いと気付いていたと思います。
『話はわかった』とそれだけ言われ、私は翌週退職したのです。
その後のKさん
私が退職した翌年、Kさんは庶務を一手に受ける部署に異動しました。具体的には人事のサポートや準備、時にはイベントの看板を作ったりします。出世コースにはならないけれど数字に追われる日々から卒業したのです。お子さん3人と笑顔で歩いている姿を一度お見掛けし、温かい気持ちになりました。
私がやった事(やらされた事)は褒められた事ではないけれど今では忘れられない思い出です。